The Sun of Latin Music / Eddie Palmieri

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1. Nada de Ti / Palmieri / 6:31
2. Deseo Salvaje / Rodriguez / 3:38
3. Una Roza Espanola / Palmieri / 5:18
4. Nunca Contigo / Palmieri / 3:48
5. Un Dia Bonito / Palmieri / 14:49
6. Mi Cumbia / Palmieri / 3:17

ニューヨーク・サルサ・シーンの王様、エディ・パルミエーリの73年作。
もともと黒人コミュニティと中南米移民コミュニティは被差別民族として近しかったらしく、交流はわりとあったみたいです。
古くはビートルズで有名な「Twist & Shout」のオリジナル(と思われる)アイズレー・ブラザーズのヴァージョンではモロにラテン風味だし、70年代ではダニー・ハザウェイが「The Ghetto」でコンガを導入し、スティーヴィー・ワンダーは名作「Innervisions」に収録されている「Don't You Worry 'bout A Thing」でサルサをやってるし、また、80年代に入ってもスパイク・リーの映画「Do The Right Thing」ではレディオ・ラヒームとチカーノ系青年とのラジカセ対決、みたいな場面もあったし。

本作はラロ・ロドリゲスという若手歌手を迎えての一作目で、ラロさんはこの後サルサ歌手としてスーパースターの座を手に入れるらしいんですが、当然詳しい事はわからず。
スミマセン(笑)。

(1)はオープニングとしてサイコー。
(2)のボレーロも良し。
あと、(3)はビートルズの「You Never Give Me Your Money」の思いっきりなパクり(笑)。
個人的には(4)の浮かれたリズムが一番スキ。
ここまではサルサの定石通りのサウンドなんですが、(5)では一転してPファンクとかマイルズ・デイヴィスの70年代に通じる渾沌とした世界を描き、ミュージシャンとして気を配っていたんだなと感じさせます。
サルサについては数枚しかアルバム持ってないんで、これからいろいろ聴きたいなあ。

アメリカ国内で中南米系の移民の数が黒人を上回るのは時間の問題で、サンタナの大ヒットが証明するように今後ポップ・フィールドでの中南米系ミュージシャンのサウンドが主流になると思われます。
現在チカーノ産のヒップホップ/R&Bが台頭してきてますが、ヒップホップにおけるサンプリング対象はだいたい70〜80年代の黒人ファンクバンドとかばっかりなんで、こういうサルサ系のをサンプリングしてラップを乗っけるってのはやってる人いるのかな。
うまくやったらおもしろいと思うんだけど。