Reaching For The Sky - Crosswinds / Peabo Bryson

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Disc 1:
1. Reaching For The Sky.
2. Feel The Fire.
3. A Fool Already Knows
4. Hold On To The World.
5. Love From Your Heart.
6. Love Walked Out On Me
7. You Haven't Learned About Love.
8. Have A Good Time.
9. Reaching For The Sky (Us Capitol Single)

Disc 2:
1. Crosswinds
2. I'm So Into You
3. Smile
4. She's A Woman
5. Point Of View
6. Spread Your Wings
7. Don't Touch Me
8. Love Is Watching You
9. I M So Into (Us Capitol Single)
10. Crosswinds (Us Capitol Single)

ピーボ・ブライソン初期の名作が2in1、いや2枚組にまとめてリリースされました。
初期のオリジナル・アルバムはまったくCD化されてなかったのでアナログ買おうかと思ってましたが、待ってみるもんですな。
しかしsoulmusic.com RecordsとFunky Town Grooves Recordsは親の敵みたいにソウルのリイシュー盤出しまくってるな。
20年前はライノとPヴァインの独壇場だったのに。

キャピトル・レコードからの1枚目「Reaching For The Sky」はタイトル曲もいいですが、なんといっても山田詠美の小説「ソウルミュージック・ラバーズオンリー」のタイトルにもなった(2)が素晴らしいの一言。
でかいスケールで愛を歌い上げるピーボの真骨頂といえるバラード。
後にテディ・ペンダーグラスやステファニー・ミルズもカヴァーしとりましたな。
テディはステファニー・ミルズとのデュエットか。
(3)(4)ソウル・マナーを見せつけ、(5)(7)(8)でアーバン・ファンク風味も出してきますが、(6)では若干のジャズ風味も効かせます。

若きピーボの溌剌としたヴォーカルを心ゆくまで堪能できる好盤。

続く「Crosswinds」は軽めの導入部分ながらも「Feel The Fire」の路線を引き継ぐ(2)がサイコー。
ぐっとテンポ・アップした(3)、落ち着いた(4)に若干歌謡曲チックな(5)
ドラマティックな(6)がまたイイ。
全体の手触りはあくまでもアーバン。

80年代に入って「愛のセレブレイション」まではR&Bチャートで好成績を残したものの本人はマイケル・ジャクソン〜ライオネル・リッチーが成功したポップへのクロスオーヴァー路線に魅力を感じたんでしょうか、84年にレコード会社を移籍してそれ風のサウンドに挑戦したものの白人市場からも黒人市場からもそっぽを向かれてしまってチャートはみるみるうちに降下、一時期ドツボにハマったものの、91年のアーバン・ソウルに舵を切ったアルバム「Can You Stop The Rain」でやっとR&Bチャート1位となるヒットを記録しました。
しかし執念に燃えるピーボはその後92年に「美女と野獣」、93年に「アラジン」で遂にディズニー・ポップ・シンガーとして白人市場に食い込むことに成功しました。
たぶんこれで一生食っていけると思ってるんだろうなあ。
日本にも毎年来てるみたいだし。
ちょっと見に行きたい気持ちもあるけど、この時期の曲はレパートリーにいれてないんだろな。

なんのかんの言うてもソウル・バラーディアーとしての実力を遺憾なく発揮した名作2枚です。
アーバン・ソウル好きなら必携・必聴の一枚。

あ、CDジャケ裏の曲の表記が間違ってますんで注意してください。


Can You Stop the Rain / Peabo Bryson

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01 Lost in the Night Mann, Weil, Zimmer 4:34
02 Can You Stop the Rain Afanasieff, Bettis 5:34
03 Closer Than Close Mann, Weil 4:41
04 Shower You With Love Bryson 5:30
05 I Can't Imagine Goffin, Mann 4:26
06 I Wish You Love Bryson 5:57
07 You Don't Have to Beg Bryson 5:41
08 I Wanna Be with You Bryson, Gant 5:42
09 I Just Had to Fall Pandini, Rich 4:44
10 Soul Provider Bolton, Goldmark 4:51
11 If It's Really Love Bryson 5:26

91年作。
ピーボ・ブライソンといえばベストヒットUSAのCMでかかってた「愛のセレブレーション」(ルミ子&賢也の愛のテーマでも有名)で初めて知りましたが、やはり「Feel The Fire」あたりのブラコンのはしり的な曲が一番スキ。
ルーサー・ヴァンドロス、フレディ・ジャクソン、ライオネル・リッチー…、並みいるシンガー達とブラック・コンテンポラリー・シーンを形成しておりました。
しかし80年代終盤から始まるヒップホップ勢の盛り上がりとともに、ニュー・エディション一派を中心に新世代シンガー達が台頭、それまで活躍していたブラコン・シンガー受難の時代が本格的に始まるわけですが、ここらの時代はブラコン・シンガーもまだまだ土俵際で踏ん張ってた時代かな。
ルーサーの「Power Of Love」、フレディの「Do Me Again」あたりが同時期に出てたし。
ピーボの伸び〜る伸び〜る歌声は当然健在、ミディアム〜スロウ中心の楽曲を歌い込んでいきます。
出来として一番イイのははタイトル曲の(2)かな。
とはいうものの、本格的にヒップホップとR&Bの融合が進みつつある91年当時でさえ5年ぐらいは遅れた感覚のタイトル(4)とかはどうかな〜。
ま、全体的つくりも当時のシーンから5年以上遅れてるワケですが、中産階級向けアーバン・ブラック・コンテンポラリー・アルバムとしてはよくできた作品でしょう。
まとまりすぎで、いい意味で破綻がないのが不満ですが、それは贅沢かな。
ネルソン・ジョージの著作「リズム&ブルースの死」では80年代のクロスオーヴァー・ブームに乗ろうとして失敗したシンガーとして紹介されていますが、ピーボは類い稀な歌唱力を武器にR&B先端シーンから撤退して、ディズニー・シンガーに転身、彼にとって念願だった(と思う)白人層への食い込みに成功、いまだに活動中ですが、ここいらはちょっと興味の対象外。

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