01. I Want to Take You Higher (Stewart)- 5:23
02. Everybody Is a Star (Stewart) - 3:00
03. Stand! (Stewart) - 3:06
04. Life (Stewart) - 3:00
05. Fun (Stewart) - 2:21
06. You Can Make It If You Try (Stewart) - 3:38
07. Dance to the Music (Stewart/Stewart) - 2:59
08. Everyday People (Stewart) - 2:22
09. Hot Fun in the Summertime(Stewart/Stewart) - 2:38
10. M'Lady (Stewart) - 2:45
11. Sing a Simple Song (Stewart) - 3:56
12. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin)(Stewart) - 4:49
スライ&ザ・ファミリー・ストーン初期の、というよりも問題作「暴動」以前のヒットを集めたベスト。
60年代のスライについては、ジェイムズ・ブラウンのファンク・ミュージックを取り入れたサイケデリック・ロックといった趣の方が強いと思います。
あまりファンクという気がしない。
ラリー・グラハム&グレッグ・エリコの屈強リズム隊を擁しながらも、よく聴くと割合に目立ってないですね。
全然ブリブリじゃない。
そんなところと、サンフランシスコという、ヒッピー・ムーヴメントの中心地からの影響を受けたメッセージ色強い歌詞が白人にウケたのかもしれませんが。
そんなスライがファンクに「開眼」したのが永遠の名作(12)。
ラリー・グラハムが弾くブリブリのクラッピング・ベースに導かれて、躍動するスライ。
この曲はホント腰にくる。
この時期の彼については、映画「ウッドストック」で(1)を凄まじいエネルギーで演奏する姿を見ることが出来ます。
躍動するブラック・ロックのヒーローとしての集大成。 必携です。
01 Luv N' Haight
02 Just Like A Baby
03 Poet
04 Family Affair
05 Africa Talks To You "The Asphalt Jungle)
06 There's A Riot Goin' On
07 Brave & Strong
08 (You Caught Me) Smilin'
09 Time
10 Spaced Cowboy
11 Runnin' Away
12 Thank You For Talkin' To Me Africa
このアルバムは71年に発表された5作目。
それまでのサイケっぽいメンバーの顔をコラージュしたジャケから一転、星条旗がジャケットいっぱいにたなびくデザイン、しかも普通 の星条旗ではなく、星の部分がバクハツマークになっているんです。
まさしく「暴動」をイメージした作品。
たぶんほとんどのトラックを一人で録音したんでしょう、なーんかヌケの悪い、モコモコした音質の「やってられっか、バーカ」的ニュアンスたっぷりなファンクのオンパレード。
60年代に公民権運動に始まる黒人の地位向上を目指し、「You Can Make It If You Try」と歌ってはみたものの、現実として黒人街のゲットー化、ドラッグ問題、ヴェトナム戦争の泥沼化…、変わらないどころか悪化する現状に絶望したスライの内面 の闇をえぐり出し、ヒットした「Family Affair」ではゲットーに住んでいると思われるにっちもさっちもいかなくなっちゃってる黒人家庭の現実を歌い、(6)にいたっては全くの無音。
これがそのまま彼の“最後”のメッセージになります。
01 In Time
02 If You Want Me To Stay
03 Let Me Have It All
04 Frisky
05 Thankful N' Thoughtful
06 Skin I'm In
07 I Don't Know (Satisfaction)
08 Keep On Dancin'
09 Que Sera, Sera (Whatever Will Be, Will Be)
10 If It Were Left Up To Me
11 Babies Makin' Babies
重度の薬物中毒でシーンから姿を消したスライ・ストーンが復帰後バンドのほとんどのメンバーを入れ替え、新体制で臨んだスライ&ザ・ファミリー・ストーンの6枚目のオリジナル・アルバム。
歌詞については「復活」をイメージしてはいるものの、基本的には「暴動」の流れを受け継いだクールなファンク。
(1)〜(5)あたりまではわりあい歌詞は希望をイメージさせるものが並びますが、(6)あたりからその世界は崩れだしていき、(9)では白人ポップ・スター、ドリス・デイのカヴァーを皮肉っぽく歌い上げます。
アメリカにおける白人の「なるようになる」ということと、黒人の「なるようになる」ことの意味はこんなに違うんだぜ、ということをサウンドで示した様な作品。
(10)(11)ではスライの夢見た理想郷が崩壊した後にあらわれた現実のゲットーの状況を虚ろに歌っています。
薬物に依存している間はスライの中にある理想郷で遊んでいられたのか、あるいはもっと悲惨な状況の中に立たされていたのか知る由もありませんが、とにかく絶望の淵でもがき苦しむスライが送りつけてきた音から当時のゲットーの状況を思うしかありません。
まあ自分がハッピーな時にはあんまり聴きたくないアルバムですね(笑)。
個人的にはスライへの興味はここまで。
その後は落ち込むばかり、10年くらいまえに何かのサントラに1曲録音していましたが、それ以降は…、知りません。
感想などありましたらどうぞ。