Comin' From Where I'm From / Anthony Hamilton

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01. Mama Knew Love (Carter/Green/Hamilton ) - 3:28
02. Cornbread, Fish & Collard Greens (Artist/Hamilton/Poyser ) - 4:34
03. Since I Seen't You (Batson/Hamilton/Jones ) - 3:16
04. Charlene (Batson/Hamilton ) - 4:06
05. I'm a Mess (Hamilton/Smith/Solomon ) - 4:25
06. Comin' from Where I'm From (Batson/Hamilton ) - 4:00
07. Better Days (Balfour/Coomes/Hamilton ) - 3:02
08. Lucille (Balfour/Bowling/Bynum/Coomes/Coomes/Hamilton ) - 4:29
09. Float (Bervine/Hamilton ) - 5:41
10. My First Love ・ performed by Hamilton /LaToiya? Williams - 6:11
11. Chyna Black (Hamilton ) - 4:00
12. I Tried (Hamilton/Poyser ) - 5:04

96年にMCAからアルバム「XTC」でデビューしたアンソニー・ハミルトンのセカンド。
探したんだけどファースト持ってないです。
ちうかその頃このシンガーって話題になってたかどうか記憶にありません。
あの頃が一番CD買ってたし、昔懐かしいブルーラウンジで情報交換しまくってたから知っててもおかしくないんだけどなあ。
ともあれ、ジャーメイン・デュプリのSo So Defに拾われてメジャー配給のレーベルから発売できただけでもラッキーというべきでしょう。
全体のカラーはニュー・クラシック・ソウルの延長線上にあり、サウンドのそこかしこ、特にコーラスの使い方にディアンジェロの影響が伺えたりして興味深いものがあります。
全体的な印象としては1曲目のジャーメイン・デュプリが制作したものを除いてほとんどの楽曲をアンソニー本人がソングライティング&プロデュースしており、悪くいえば地味、良くいえばドープなカラーに染められていて、このテのものが好きな人にはたまらないはず。
特に後半に行けば行くほど良くなってきます。
中でもラトーヤ・ウィリアムズとのデュエットは聴きモノ。
声質は割とラフな感じのテナー・ヴォイスで、終始抑えた歌唱で爆発力にはやや欠けますが、サウンドとの整合性を考えてのものなのかなと。
あと、中ジャケの本人の写真はどうにかならなかったのかとレコード会社を責めたい。
あれはストリート感覚を出すというよりは単に本人のビンボウくささを浮き上がらせてるだけだって。
これでCCCDでなけりゃなあ…。
音質がどうこうもあるけど安心して聴けないのがイヤなんだよなあ。

Ain't Nobody Worryin' / Anthony Hamilton

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01. Where Did It Go Wrong? / Batson, Hamilton / 3:28
02. Southern Stuff / Batson, Hamilton / 3:59
03. Can't Let Go / Batson, Hamilton / 3:52
04. Ain't Nobody Worryin' / Hamilton, Ozuna, Saadiq / 3:41
05. The Truth / Davis, Hamilton, Harris / 4:35
06. Preacher's Daughter / Balfour, Hamilton, Pottinger / 5:24
07. Pass Me Over / Hamilton, Wooten / 6:40
08. Everybody / Hamilton, Poyser / 4:11
09. Sista Big Bones / Batson, Hamilton / 4:00
10. Change Your World / Hamilton, Poyser, Thompson / 4:40
11. Never Love Again / Hamilton, Wooten / 4:38
12. I Know What Love's All About / Hamilton, Wooten / 4:32

アンソニー・ハミルトン3枚目(「Soulife」も入れて)のアルバム。
流れ的にはニュー・クラシックスから来ていると思われますがここまでくると、もうニュー・クラシック・ソウルと比較しても意味がないような気がします。
ニュー・クラシック・ソウルはもともとスタイルとしては各人バラバラだったし、この盤を聴くと10年前のニュー・クラシックスの盤とは音の作り込み方がまったく違う、というか進化しているように感じます。
懐古派シンガーとしては、ノラ・ジョーンズのスタッフによって04年に世に出たリッキー・ファンテというシンガーがおりましたが、アンソニーの場合はコンテンポラリー・サウンドを無理なく溶け込ませているのが素晴らしい。
まずは(2)の熱い熱い歌唱にノックアウト!
ニュー・クラシックス時代の生き残り、ラファエル・サディーク制作の(4)もすばらしいし、妙に浮いてるラヴァーズ・ロックの(8)も出来がイイので始末におえない(笑)。
(10)(11)なんてモロに70年代スウィートの作風をなぞってるし。
(12)は楽器のタメぐあいがディアンジェロの「Voodoo」を連想したり。

60〜70年代の南部にはこういうシンガーはいっぱいいたと思いますが、今となってはこういう人は貴重だよなあ。
新世代ディープ派の理想形、と言ってよいでしょう。

Southern Comfort / Anthony Hamilton

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01. They Don't Know / Hamilton / 4:30
02. Magnolia's Room / Hamilton / 5:03
03. Why / Hamilton / 4:25
04. Don't Say What You Won't Do / Hamilton / 5:55
05. Glad U Called / Hamilton / 4:27
06. Fallin in Love Again / Hamilton / 4:25
07. Trouble / Hamilton / 4:19
08. Never Give Up / Hamilton / 4:27
09. Better Love / Hamilton / 4:44
10. Please / Hamilton / 5:41
11. Sailin Away / Hamilton / 3:53

アンソニー・ハミルトンの未発表作品集第二弾。
前に発表された未発表曲集の「Soulife」も凄かったですが、本作もボツになったとは思えないほどのできばえで大満足。
サウンドはわりとディアンジェロと共通している部分も感じられ、ディアンジェロが寡作(ちうかなにやってるんだろう)なぶんだけこの手のサウンドがお好きな購買層がアンソニー・ハミルトンにシフトしているという部分もあると思います。

アルバムはいきなりアイズレー・ブラザーズの「The Heat Is On」をサンプリングした粘着力あるファンク(1)に乗っかって登場、(2)での落ち着いた歌唱も堂に入っており、(4)でのカーティス・メイフィールドの「(Don't Worry) If There's A Hell below We're All Gonna Go」を連想させます。
そしてスウィートな(10)もサイコー、落ち着いた(11)でアルバムは幕を降ろしますが、全編通して高品質、なんでメジャーで出さ(出せ)なかったんだろうと訝しんでしまいました。

完全に新世代ディープ・シンガーとしてのスタイルを確立しており、次のメジャー盤が楽しみです。

The Point Of It All / Anthony Hamilton

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1. The News / Batson, Hamilton / 3:34
2. Cool / Crump, Hamilton, Montgomery ... / 4:15
3. The Day We Met / Batson, Hamilton / 3:57
4. Diamond in the Rough / Davis, Hamilton, Harris / 3:37
5. I Did It for Sho / Hamilton, Remi / 3:19
6. Hard to Breathe / Batson, Hamilton / 4:12
7. Soul's on Fire / Batson, Hamilton / 4:23
8. Please Stay / Hamilton, Splash / 5:03
9. The Point of It All / Avila, Avila, Hamilton, Wright / 3:50
10. Fallin' in Love / Batson, Hamilton / 3:07
11. Prayin' for You - Superman / Hamilton, Wooten / 7:54
12. Her Heart / Hamilton, Wooten / 4:03
13. Fine Again / Hamilton, Wooten / 4:30
14. She's Gone [*] / Hamilton, Myers / 3:28

アンソニー・ハミルトンの新作は相変わらずの泥臭さを残したサウンドにのせて焦げついたヴォーカルを聴かせるアルバムになりました。
チャートでは「The Billboard 200」初登場12位、「Top R&B/Hip-Hop Albums」初登場3位になってゆるゆる落ちていってますが、R&Bアルバムはこんなもんなのかな。
(1)は迫力のあるカーティス・メイフィールドといった感じでイントロとしてはかなり満足。
個人的には裏でギターが泣きまくってる(4)が気に入りました。
そしてスロウではダークなトーンで迫る(6)、懇願調の(8)、楽器のタメがセクシーな(9)と粒ぞろいですが、オールドスクールな(12)が一番あってるかなあ。
エレクトロな(10)は・・・、イマイチ似合ってない。

本作も前作同様のつくりで我が道を行くアンソニーの良さを出してて及第点のアルバムだと思いますが、個人的にはもっとバスーンと来るヤツが欲しいっちゃあ欲しかったです。

感想などございましたらどうぞ。