Guy/ Guy

guy1.jpg

01. Groove Me - 4:48
02. Teddy's Jam - 3:30
03. Don't Clap...Just Dance - 4:59
04. You Can Call Me Crazy - 3:59
05. Piece of My Love - 5:21
06. I Like - 4:50
07. 'Round and 'Round (Merry Go 'Round of... - 4:07
08. Spend the Night - 4:23
09. Goodbye Love - 4:55
10. My Business - 3:50

キース・スウェット、アル・B・シュア!のプロデュースを手がけて好事家の間では有名だったテディ・ライリーが一気に有名になった記念すべきファースト・アルバム。
テディ・ライリーの特徴である、跳ねまわるビートが信条のニュー・ジャック・スウィングが目一杯詰まったこのアルバム、彼のプロダクションとともに、なんといってもテディが教会で見つけてきたヴォーカリスト、アーロン・ホールの素晴らしいヴォーカルに大きな注目が集まりました。
それまではルーサー・ヴァンドロスやフレディ・ジャクソンといったスムーズな歌い口を特徴としたシンガーが幅を利かせていましたが、アーロンの登場はこの構図をひっくり返してくまい、以降ゴスペル・ルーツを基本とするシンガーがそれこそウジャウジャ出てきます。
痛快なアップの間に(5),(9)といったスロウが挟み込まれており、こちらも聴かせてくれます。

このアルバムについてはヴォーカル・スタイルとサウンド・プロダクションの両方において90年代を通 して影響を与え続けたのいうのが立派だったと思います。

なお、正式なメンバーはテディとアーロン&ダミアンのホール兄弟ですが、 ジャヶ写 に写っているのはもう一人の男性はティミー・ガトリングといい、デビュー前に脱退しており、後にソロ・アルバムを発表したり、クリストファー・ウィリアムズのプロデュースを手がけていたりしています。

Guy!... The Future / Guy

90njg02.jpg

01. Her (Davidson/Hall/Riley) - 3:53
02. Wanna Get With You (Davidson/Hall/Riley) - 4:47
03. Do Me Right (D./Riley/Way) - 4:23
04. Teddy's Jam 2 (Hall/Riley) - 4:19
05. Let's Chill (Belle/Riley) - 5:23
06. Tease Me Tonite (Hall/Riley/Way) - 5:08
07. Dog Me Out (Hall/Riley/Way) - 4:23
08. Total Control (Davidson/Riley) - 3:00
09. Gotta Be a Leader (Davidson/Riley) - 4:28
10. The Future (Hall/Hall/Riley/Way) - 4:12
11. Let's Stay Together (Hall/Riley) - 4:01
12. Long Gone (Belle/Riley) - 5:52
13. Where Did the Love Go (Hall/Hall/Riley) - 1:15
14. Yearning for Your Love (Scott/Wilson) - 4:35
15. Smile (Hall/Hall/Riley) - 4:25
16. Wanna Get With U [*] (Davidson/Hall/Riley) - 7:58

言うこと無し、ニュー・ジャック・スウィングの最高峰グループの最高傑作。 デビューではヒップホップ風味なしのある意味ストイックな音作りをしてましたが、このアルバムでは盟友ヘヴィDや、実弟マーケル・ライリーの所属するラップ・グループ、レックスン・エフェクト等をグストに迎えてラップも披露しています。
とはいうものの、やはりこのグループはアーロン・ホールのヴォーカルがメイン。
名作「Let's Chill」、露骨なメイクラヴソング「Tease Me Tonite」などのスロウもよし、当然「Wanna Get With U」や「Teddy's Jam 2」みたいなニュー・ジャック・スウィングも好調。
そしてアーロンのヴォーカリストとしてのルーツをさらけ出すGap Bandの「Yearning For Your Love」も収められており、ファンにとっては興味深いところではあります。
とにかく90年代の幕開けにふさわしい内容を持つこのアルバム、言い換えれば全ての90年代コンテンポラリー・ソウルはこのアルバムを下敷に始まったと言っても過言ではないでしょう。
Guyはこのアルバムを最後に解散、アーロン・ホールと弟のダミオン・ホールはソロへ、テディは94年にBlackstreetを結成しています。

GuyIII / Guy

guy3.jpg

01. Intro - 2:35
02. We're Comin' (Hogges/Riley/Williams) - 3:00
03. Dancin' (Damon/Ferrell/Muhammad/Riley) - 4:08
04. Rescue Me (Adams/Brown/Hall/Newsome/Riley/Scott/Smith) - 5:58
05. Teddy's Jam III (Riley/Troutman/Troutman) - 4:48
06. Do It (Dickey/Gaither/Riley) - 4:24
07. Why You Wanna Keep Me from My Baby (Rich/Riley) - 5:01
08. Tellin' Me No (Kazual/Riley/Scott) - 4:33
09. Not a Day (Baptist/Love/Riley) - 3:17
10. Love Online (Hopkins Jr./Riley/Sylvers III/Sylvers IV/Williams) - 5:13
11. Spend Time (Adams/Brown/Fletcher/Glover/Griffen/Riley/Robinson/Scott) - 4:39
12. Don't U Miss Me (Fauntleroy/Gilliam/Joi'e Chancelor/Riley) - 4:20
13. 2004 (Rich/Riley) - 3:27
14. Fly Away (Burnside/Marshall/Riley/Smith) - 3:17
15. Someday (Hall/Hathaway/Howard/Riley) - 3:06

80年代後半にデビュー、ニュー・ジャック・スウィングの一大センセーションを巻き起こしたGuyの、と、いうよりは、98年に 「Inside Of You」でコケたアーロン・ホールの、99年にブラックストリートの「Finally」でコケたテディ・ライリーの再起 戦という意味合いが強い作品として位置付けたほうが自分としてはしっくりくる作品。
と、いうより、自分にとって重要なのは、Guy云々、ニュー・ジャック・スウィング云々よりも、テディ・ライリーのプロデュースによって歌うアーロン・ホールの作品だということです。
93年の「The Truth」では、Guyの持つイメージで切りぬけたものの、5年後のセカンドで時代から取り残された感の強かったアーロン・ホールにとっては起死回生の一枚となるでしょう。
アルバム全体としては、当然10年前のキラキラ・ニュー・ジャックスを期待してはいけませんが、各所にアイディア一杯。 OST「Wild Wild West」で聴いた「The Best」はイマイチだったので、「あ〜、こりゃダメだ〜。」って感じでしたが、アル バムに収録されたほうはヴァージョン違いなのか、こっちはイイ出来。
そして「Dancin'」で見せるハネた感じでテディ復活を感じました。 「Teddy's Jam III」はもうモロにザップの「Dance Floor」をサンプリングというよりパクっておりますが、これは追悼って いう意味なんでしょうか?
スロウの「Why You Wanna Keep Me From My Baby」も安定してるし、また、「Love Online」ではこれまでの擬音スロウの 定番、デンワをEメールに置き換えておりますが、まあ、セクシーさは足りないものの、アイディアは買いましょう(笑)。
Guyとして今後どういった活動をするのかはわかりませんが、少なくとも、テディ・ライリーが90年代にニュー・ジャックスの 最前線に立つ際にアーロン・ホールの歌声が不可欠だったように、アーロン・ホールにとっても自分を最大限に生かしてくれるプロデューサーとしてテディ・ライリーが必要だということがよくわかった一枚でした。