Pain In My Heart / Otis Redding

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01. Pain in My Heart (Neville) - 2:22
02. The Dog (Thomas) - 2:30
03. Stand by Me (King/Leiber/Stoller) - 2:45
04. Hey Hey Baby (Redding) - 2:15
05. You Send Me (Cooke) - 3:10
06. I Need Your Loving (Gardner/Lewis/McDougal?/Robinson) - 2:45
07. These Arms of Mine (Redding) - 2:30
08. Louie, Louie (Berry) - 2:05
09. Something Is Worrying Me (Redding/Walden) - 2:25
10. Security (Redding) - 2:30
11. That's What My Heart Needs (Redding) - 2:35
12. Lucille (Collins/Little Richard) - 2:25

いまや不世出のソウル・シンガーという評価が定着したオーティス・レディング。
そのデビュー・アルバムがこちら。
未だ洗練されていない、その臭みが好事家のココロをわしづかみにするんでしょう。
オーティスにとっての初録音(7)はジョニー・ジェシキンスというシンガーの録音の空き時間を使って吹き込まれた伝説はいまだに語りぐさ。
シングルがヒットして、急遽アルバムを制作したのでしょうか、有名曲のカヴァー・ソングが大半を占めています。
個人的にはオーティスのオリジナル曲の方が出来がいいと思うんですが…。
それでも、彼のアイドルだったサム・クックの(5)やリトル・リチャードの (12)なんかは彼のルーツを知るうえでは貴重な資料になるでしょう。

Sings Soul Ballad / Otis Redding

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01. That's How Strong My Love Is (Jamison) - 2:24
02. Chained and Bound (Redding) - 2:25
03. A Woman, a Lover, a Friend (Wyche) - 3:18
04. Your One and Only Man (Redding) - 2:48
05. Nothing Can Change This Love (Cooke) - 2:59
06. It's Too Late (Willis) - 3:00
07. For Your Precious Love (Brooks/Brooks/Butler) - 2:49
08. I Want to Thank You (Redding) - 2:35
09. Come to Me (Redding/Walden) - 2:38
10. Home in Your Heart (Blackwell/Scott) - 2:10
11. Keep Your Arms Around Me (McClinton?) - 2:46
12. Mr. Pitiful (Cropper/Redding) - 2:26
オーティス・レディングのセカンドを。
この作品はデビュー作よりはこなれつつも、次作「Otis Blue」のポップ・フィールドに色目を使わなかった“ソウル・アルバム”として高い評価を受けています。
まあロック〜ポップスのカヴァーを入れなかったという程の意味ですが。
まずは名作(1)、後述するO.V.ライトの作品が日本のソウル・ファンには有名ですが、オーティスのヴァージョンもなかなかイケます。
そしてこれまた傑作の(12)までたるみないつくりには、唸らされることでしょう。
おなじみのカヴァーは彼のアイドル、サム・クックの(5)、インプレッションズの(7)、ジャッキー・ウィルソンの(3)とソロモン・バークの(11)。
こうして聴いていくと、オーティスとブッカーT&MG'sをはじめとするスタックスのミュージシャン、プロデューサーのジム・スチュワート達が一体となっているのがよくわかります。
歌ごとにいろいろな表情を見せながらもサウンドは一枚岩。
アルバムとして統一感が出ているのは見事です。

Otis Blue / Otis Redding

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01. Ole Man Trouble (Redding) - 2:36
02. Respect (Redding) - 2:05
03. Change Is Gonna Come (Cooke) - 4:13
04. Down in the Valley (Burke) - 2:56
05. I've Been Loving You Too Long (Butler/Redding) - 2:59
06. Shake (Cooke) - 2:37
07. My Girl (Robinson/White) - 2:53
08. Wonderful World (Campbell) - 3:09
09. Rock Me Baby (Josea/King) - 3:22
10. (I Can't Get No) Satisfaction (Jagger/Richards) - 2:43
11. You Don't Miss Your Water (Bell) - 2:49

このアルバムこそがオーティス・レディングが、そしてソウル・ミュージックが世界に羽ばたいた記念碑的一枚。
ローリング・ストーンズの「Satisfaction」やテンプテーションズの「My Girl」が収められており、ロック〜ポップス・ファンからも好意的に迎えられたのが大ヒットの要因です。
しかしここでの聴き物はやはりサム・クックの「A Change Is Gonna Come」、「Shake」、「I've Been Loving You」…、いやいや全てが素晴らしい。
たったの一日で録音されたとは思えない、いや、だからこそアルバムとして統一感が出たのでしょう、奇跡の一枚。
とにかく必携・必聴。
オーティスのオリジナルアルバムをどれか一枚、というのであれば迷わずこちらを。
ベストでは3枚組の「Otis Redding Story」がおすすめ。 ロブ・ボウマンの詳細なブックレットが価値を倍増させてくれます。
最近は新しいベストが出ているようですが、こういうちゃんとした資料あるのかな。

Live In Europe / Otis Redding

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01. Respect (Redding) - 3:00
02. Can't Turn You Loose (Redding) - 3:20
03. I've Been Loving You Too Long (Butler/Redding) - 3:40
04. My Girl (Robinson/White) - 2:44
05. Shake (Cooke) - 2:51
06. (I Can't Get No) Satisfaction (Jagger/Richards) - 2:53
07. Fa-Fa-Fa-Fa-Fa (Sad Song) (Cropper/Redding) - 3:37
08. These Arms of Mine (Redding) - 2:57
09. Day Tripper (Lennon/McCartney?) - 2:54
10. Try a Little Tenderness (Campbell/Connelly/Woods) - 5:00

63年のデビューから67年の飛行機事故による死去までの活動はもはや伝説となり、ロック歌手への影響力も強い不世出のソウル歌手の名を欲しいままにするオーティス・レディングのライヴ盤。
この作品が他のライヴ盤と違うところは、黒人聴衆がほとんどいないと思われるヨーロッパでのライヴで、黒人歌手と白人聴衆との間である程度のノってノセられ関係ができている所にあるでしょう。
ヒットしたストーンズの「Satisfaction」や、ビートルズの「Day Tripper」をカヴァーして結構ウケていますが、やはり「I've Been Loving You Too Long(To Stop Now)」〜「My Girl」〜「Shake」の流れが強力。
黒人歌手&黒人聴衆のノッてノセられ度の多寡を最重要とするピュアなソウルファンにはそれほど評判のよくない盤ではありますが、相手が白人聴衆だということを考えれば、それほど悪い作品じゃないとおもいます。
まあアポロ劇場のような黒人100%のハコでライヴをやればこの作品の10倍はノリノリの作品ができたのに…、と思ってるファンの方も多いと思います。(オーティスの単独ライヴには黒人聴衆対象のものがなく、有名なモンタレー・ポップ・フェスティヴァルのものや白人クラブ「Whisky A Go Go」での記録くらいしかない)
しかし彼のロック(というか白人サイドの)フィールドでの活動がなければこれほどソウルが市民権を得る事ができなかっただろうし、またそれが公民権運動が盛り上がっていた当時の黒人と白人の融合を目指していた時代の気分をよくあらわしているものだといえるでしょう。
しかしオーティスの死と黒人指導者、マーティン・ルーサー・キング師の暗殺により、その運動は頓挫して、ジェイムズ・ブラウンの「Say It Loud, I'm Black And I'm Proud」に代表されるようなブラック・パワー時代に入っていきます。

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