I Never Loved a Man (The Way I Love You) / Aretha Franklin

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01. Respect (Redding)
02. Drown in My Own Tears
03. I Never Loved a Man (The Way I Love You)
04. Soul Serenade
05. Don't Let Me Lose This Dream
06. Baby, Baby, Baby
07. Dr. Feelgood (Love Is a Serious Business)
08. Good Times
09. Do Right Woman, Do Right Man
10. Save Me
11. A Change Is Gonna Come

アレサ・フランクリンはデビュー当初はコロムビア・レコード所属でぱっとしない存在だったみたいですが、66年にアトランティック・レコードに入社してからのこのファースト・アルバムで一気に最前線に出てきました。
もともと持っていたゴスペル歌唱を全く薄めることなくポップス市場にもアピールし、60年代の歌姫の座を射止めた傑作。
まずはオーティスの(1)でノックアウト!
オーティスのヴァージョンを素晴らしい解釈力で歌います。
最初のイントロじゃ誰の曲だかわからなかったし(笑)。
当時盛り上がりを見せていた公民権運動のテーマソングとしてはこちらの方がウケてたみたいです。
そして、サム・クックの大傑作(11)で締める構成の妙。
どちらも公民権運動に関わるテーマであり、それを表現力豊かな女性が歌ったという事でかなりのインパクトがあったのだと思います。
マッスル・ショールズ・スタジオのミュージシャン達の気合いもひとしお、素晴らしいアルバムです。

Lady Soul / Aretha Franklin

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01.Chain of Fools (Covay)
02.Money Won't Change You (Brown/Jones)
03.People Get Ready (Mayfield)
04.Niki Hoeky (Vegas/Vegas)
05.(You Make Me Feel Like) A Natural Woman (Goffin/King/Wexler)
06.Since You've Been Gone (Sweet Sweet Baby) (Franklin/White)
07.Good to Me as I Am to You (Franklin)
08.Come Back Baby (Charles)
09.Groovin' (Brigati/Cavaliere)
10.Ain't No Way (Franklin/Franklin)

「Lady Soul」の称号が伊達ではないホンモノのソウル・クイーン、アレサ・フランクリンのセカンド・アルバム。
個人的にはアレサの最高傑作だと思います。
冒頭のリズム・ナンバー「Chain Of Fools」、「Money Won't Change You」でのせておいて、インプレッションズの「People Get Ready」で聴かせるこの余裕!
そしてキャロル・キングの「(You Make Me Feel Like) A Natural Woman」は彼女の解釈がすばらしいナンバー。
彼女の歌では最も好きな歌です。
ラスカルズの「Groovin'」もゆったりとしていながら、まさに余裕を感じさせる出来。
とにかく駄作ナシ、まさに傑作の一枚といえましょう。
アレサについてはアトランティックのファースト、そしてこのセカンドをまず聴いて欲しい!

Live At Fillmore West / Aretha Franklin

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01. Respect (Redding)
02. Love the One You're With (Stills)
03. Bridge over Troubled Water (Simon)
04. Eleanor Rigby (Lennon/McCartney?)
05. Make It With You (Gates)
06. Don't Play That Song (Ertegun/Nelson)
07. Dr. Feelgood (Love Is a Serious Business) (Franklin/White)
08. Spirit in the Dark (Franklin/Gross)
09. Spirit in the Dark (Reprise) (Franklin)
10. Reach Out and Touch (Somebody's Hand) (Ashford/Simpson)

オーティス・レディングと同様、白人聴衆にも支持の多かったアレサですが、彼女にとっての商業ライヴ録音はロックの殿堂、フィルモア・ウェストで行われました。
バックバンドはレギュラーではなく、特別にキング・カーティスを中心としたバンドをあつらえ、この組み合わせは大成功だといえるでしょう。
(このキング・カーティス・バンドはアレサの前座もつとめており、その時同時に録音されたキング・カーティス名義の「Live At Fillmore West」も最高!ファンクの指標の一つといえるでしょう。現在CDで容易に購入できます) 白人観衆のことを考慮したのでしょうか、ロック畑のカヴァーを多くやってます(ステファン・スティルス、サイモン&ガーファンクル、ビートルズ…)がいずれも「Lady Soul」同様、アレサ流の解釈が素晴らしく、いずれも彼女の「うた」になっています。
しかし真骨頂は、むしろ後半のアレサのオリジナル作品にあります。 「Don't Play That Song」から「Spirit In The Dark」までの流れは強力。
特に、「Spirit In The Dark」では後半レイ・チャールズがゲストで参加、まさに「黒い」感覚を撒き散らしまくり。
ここにいたっては、聴衆が白人だ黒人だという事はどうでもよくなります(笑)。
これも傑作。

Amazing Grace / Aretha Franklin

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01. Mary Don't You Weep (Andrews) - 7:29
02. Precious Lord (Take My Hand) /You've Got a [medley] - 5:34
03. Old Landmark (Brunner) - 3:40
04. Give Yourself to Jesus (Fryson) - 5:16
05. How I Got Over (Ward) - 4:22
06. What a Friend We Have in Jesus (Traditional) - 6:03
07. Amazing Grace (Traditional) - 10:45
08. Precious Memories (Traditional) - 7:20
09. Climbing Higher Mountains (Traditional) - 2:32
10. Remarks by Reverend C.L. Franklin - 1:56
11. God Will Take Care of You (Traditional) - 8:48
12. Wholy Holy (Benson/Cleveland/Gaye) - 5:30
13. You'll Never Walk Alone (Hammerstein/Rodgers) - 6:31
14. Never Grow Old (Traditional) - 9:57

72年に発表されたまさに怒涛の2枚組ゴスペル・ライヴ。
フィルモアでのライヴもよかったですが、個人的にはこっちの方が好き。
やはり、自分の育った黒人教会でのライヴは特別なのでしょう。
リラックスした雰囲気の中にも、気合いの乗り方がうかがえて、冒頭からトラディショナルなゴスペルで攻めまくるアレサ。
世俗系のカヴァーは、キャロル・キングの「君のともだち」、マーヴィン・ゲイの「Wholy Holy」のみ。
キャロル・キングの「君のともだち」はゴスペルのパクリだったのか…(笑)。
トラディショナル・ゴスペルでも、凄まじいリズム攻勢でおしまくるアレサ、現在につながるソウル〜R&Bがどこからやってきたのかということを、明確に教えてくれます。
位置的には、フィルモアでのライヴがポップ・ミュージックの顔としてのアレサの表情が窺えるものとすれば、この「Amazing Grace」はアレサがゴスペル界からやってきたという出自を明らかにする表裏一体の作品といえるでしょう。
濃厚といえば、あまりに濃厚なこのアルバム、体調のいいときにぜひ聴いてください(笑)。

Sparkle / Aretha Franklin

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1. Sparkle (Mayfield) - 4:13
2. Something He Can Feel (Mayfield) - 6:21
3. Hooked on Your Love (Mayfield) - 5:00
4. Look into Your Heart (Mayfield) - 4:04
5. I Get High (Mayfield) - 4:11
6. Jump to It (Mayfield) - 2:19
7. Loving You Baby (Mayfield) - 3:48
8. Rock With Me (Mayfield) - 3:11

70年代のアレサは、やや低調ながらも、76年にカーティス・メイフィールドがプロデュースしたこのサントラ盤で息を吹き返します。
それまでの南部中心の録音から一転、シカゴはカートム・スタジオでの録音ですが、カーティスの持つ柔らかいサウンドと、アレサのヴォーカルが結びついて、素晴らしい成果 を挙げています。
特に1曲目のタイトルトラックから、カーティス・サウンドが全開、 「Something He Can Feel」と「Hooked On Your Love」がアン・ヴォーグのアルバムでカヴァーされてるらしいですが、よく知りません(笑)。
俗にいうサザン・ソウルの文脈からははずれた作品ですが、これも好作。
80年代はアトランティックからアリスタに移籍、ルーサー・ヴァンドロスがプロデュースした「Jump To It」、ナラダ・マイケル・ウォルデンがこれまた指揮をとった「Who's Zoomin' Who」がヒット、ローリン・ヒル達音楽的子孫が好サポートをする「Rose Is Still A Rose」も素晴らしい出来です。

Rare & Unreleased Recordings / Aretha Franklin

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Disc 1:
1. I Never Loved a Man (The Way I Love You) [Demo Version]
2. Dr. Feelgood (Love Is a Serious Business) [Demo Version]
3. Sweet Bitter Love [Demo Version]
4. It Was You [Outtake]
5. Letter [Outtake]
6. So Soon [Outtake]
7. Mr. Big [Outtake]
8. Talk to Me, Talk to Me [Outtake]
9. Fool on the Hill [Outtake]
10. Pledging My Love/The Clock [Single B-Side]
11. You're Talking Up Another Man's Place [Outtake]
12. You Keep Me Hangin' On [Outtake]
13. I'm Trying to Overcome [Outtake]
14. My Way [Outtake]
15. My Cup Runneth Over[Outtake]
16. You're All I Need to Get By [Take 1][#]
17. You're All I Need to Get By [Take 2][#]
18. Lean on Me [Single B-Side]

Disc 2:
1. Rock Steady [Alternate Mix - Outtake]
2. I Need a Strong Man (The To-To Song) [Outtake]
3. Heavenly Father [Outtake]
4. Sweetest Smile and the Funkiest Style [Outtake]
5. This Is [Outtake]
6. Tree of Life [Outtake]
7. Do You Know [Outtake]
8. Can You Love Again [Outtake]
9. I Want to Be with You [Outtake]
10. Suzanne [Outtake]
11. That's the Way I Feel About Cha [Alternate Version - Outtake]
12. Ain't But the One
13. Happy Blues [Outtake]
14. At Last [Outtake]
15. Love Letters [Outtake]
16. I'm in Love [Alternate Vocal - Outtake]
17. Are You Leaving Me [Demo Version]

去年あたりからアレサ・フランクリンのアトランティック時代のアルバムがCD化されましたが、その際に倉庫から見つかったテープを編集したんでしょうか、素晴らしい内容のレコーディング集がリリースされました。
簡単に言うと普通に買ったらメチャクチャ高いせんべいの割れせんとか形がくずれて売り物にならない高級明太子みたいなもんでしょうか(笑)。

Disc1はまず冒頭の弾き語り三連発が強力。
デモとはいえどもソウルの魅力をぎゅっと凝縮したヴォーカルが素晴らしい。
そしてマスル・ショールズ・スタジオのミュージシャン達がバックをつける一連の曲がなんでボツになったのかよくわかりません。

Disc2は前半ボツヴァージョンが続きます。
個人的にはボビー・ウーマックの(11)(16)にしびれましたが、TVショウでレイ・チャールズと共演したゴスペル(12)はさらに素晴らしい。
そしてこれをデューク・エリントンが作ってたと知って二度ビックリ。
元曲を知らないんですがこれにはマジでブッ飛びました。

クレジットを見るとマスル・ショールズのミュージシャン達のほかにもケニー・バレルやロン・カーターといったジャズ畑の人たちからコーネル・デュプリーやチャック・レイニー、バーナード・パーディーといった超一流セッションマンがずらりと並んでおり、アウトテイクといっても演奏の質はムチャクチャ高く、普通に出されても特に問題ないものばかり。

このCDの総合プロデューサーはジェリー・ウェクスラー。
"ソウルの時代"をもっともよく知っている彼だからこそ作り得た作品でしょう。

つぎはアリシア・キーズの未発表デモをひとつ・・・。

コメントなどありましたらどうぞ。