The Man And His Music/ Sam Cooke

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01 Touch The Hem Of His Garment
02 That's Heaven To Me
03 I'll Come Running Back To You
04 You Send Me
05 Win Your Love For Me
06 Just For You
07 Chain Gang
08 When A Boy Falls In Love
09 Only Sixteen
10 Wonderful World
11 Cupid
12 Nothing Can Change This Love
13 Rome Wasn't Built In A Day
14 Love Will Find A Way
15 Everybody Loves To Cha Cha Cha
16 Another Saturday Night
17 Meet Me At Mary's Place
18 Having A Party
19 Good Times
20 Twistin' The Night Away
21 Shake
22 Somebody Have Mercy
23 Sad Mood
24 Ain't That Good News
25 Bring It On Home To Me
26 Soothe Me
27 That's Where It's At
28 A Change Is Gonna Come

まさしく基本中の基本。
ソウル・ミュージックのオリジネイター、サム・クックの代表曲を集めたベスト。
もともとサムはゴスペル・グループ、ソウル・スターラーズのスターとして活動していましたが、ポップ・マーケットに進出、その道の大成功者になりました。
ポップス・ファンには「You Send Me」が有名な彼ですが、遺作にして大傑作の「A Change Is Gonna Come」で歌われている内容はまさに“ソウル”。
公民権運動の高まりを歌ったこの曲は古くはオーティス・レディング、最近ではソロにカヴァーされ、いまだに人種問題が大きなテーマとなっているアメリカをある意味で象徴する歌といえましょう。
とはいうものの、「Shake」や「Twistin' The Night Away」などのパーティ・ナンバーも収録、
理屈ぬきに楽しむことができます。 で、この作品を聴いて「なんかアレンジが甘ったるいぞー」と感じられるかと思われますが、当時は白人マーケットに切り込んでいくためにはやむをえなかったみたいです。
と、いうよりはサム・クックにとってはスタジオ録音とはR&Bをポップ・マーケットで受け入れられる様にするための試行錯誤、ポピュラー的な要素とR&Bの混合比をどのくらいにするべきなのかを試す実験の場所だったのではなかったでしょうか。
(4)ではポピュラー的要素が強いアレンジになっていますが、(20)(21)では当時流行りのダンス・スタイルを取り入れながらR&B的な節回しが随所に見られます。
そして遺作(28)で完全なソウル歌唱が完成するわけですが…。
とにかくおすすめ。

Live At Harlem Sqeare 1963 / Sam Cooke

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01 Feel It
02 Chain Gang
03 Cupid 04 Medley
05 Twisting The Night Away
06 Somebody Have Mercy
07 Bring It On Home To Me
08 Nothing Can Change This Love
09 Having A Party

サム・クックといえば、個人的にはベスト盤「The Man And His Music」しか聴いたことがなかったので、スタジオ録音盤でのソウル濃度の薄さに不満を感じずにはいられませんでしたが、このライヴアルバムを聴いて大ショックを受けました!
すごい!メッチャソウルフル! 容赦なし!
サム・クックのスタジオ録音盤が優秀な黒人ポップス歌手としての側面を打ち出しているとするならば、このライヴアルバムは“ソウル”歌手としての彼の凄みをとことん見せつけて…、いやいや聴かせてくれること間違いなしのヒット曲オンパレード。
バックを務めるのは当代一流の評判高いキング・カーティスのバンド、悪いはずがありません。
これを聴いてから再びサム・クックのスタジオ盤を聴くと今度は全く違う角度から彼の良さが見えてきて、どちらも好きになってしまいました。
サム・クックのCDはオリジナルがほとんどリイシューされておらず、ファンには評判がよくありませんが、とりあえず先に挙げたベスト盤「The Man And His Music」とこのライヴ盤は必携、必聴といえましょう。