Make It Last Forever / Keith Sweat

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1. Something Just Ain't Right (Riley/Sweat) - 5:22
2 Right and a Wrong Way (Riley/Sweat) - 5:17
3. Tell Me It's Me You Want (Riley/Sweat) - 4:44
4. I Want Her (Riley/Sweat) - 5:58
5. Make It Last Forever (Riley/Sweat) - 4:55
6. In the Rain (Hester) - 5:42
7. How Deep Is Your Love (Riley/Sweat) - 4:47
8. Don't Stop Your Love (Sweat) - 4:47

97年の一大プロジェクト、LSG(ジェラルド・リヴァート、キース・スウェット、ジョニー・ギル)でも俄然その好調ぶりが目立つキース・スウェットのデビュー・アルバム。
このアルバムに収められた「I Want Her」がスタイルとしてのニュー・ジャック・スウィングの最初のヒットとなり、またこの曲に後述するテディ・ライリーが参加していたこともあって、テディにばかり注目が集まり、キースの実力は不当に低く見られがちでしたが、自らが発掘したSilkのプロデュースを皮切りに、アイズレー・ブラザーズやオージェイズなどの仕事で高い評価を受け、いまや押しも押されもせぬ 立派なプロデューサー/シンガーに成長しました。
また、彼の一方のトレード・マークであるスロウもかなり雰囲気を出しており、このアルバムではドラマティックスの「In The Rain」のカヴァーが注目されました。
彼のアルバムについては91年の「Keep It Comin'」くらいまでがニュー・ジャック系といえますが、94年の「Get Up On It」あたりからニュー・ジャック・スウィングの文脈からはずれた彼は、どちらかといえばアイズレー・ブラザーズに通 ずるトロトロセクシー派に転属、最新作ではそのアイズレー・ブラザーズのロナルド・アイズレーをゲストに充実した作品を作り続けています。
同時期にデビューしたシンガー/プロデューサー達に失速ぎみの人達が多い中、この人の活動には目をみはるものがあります。

I'll Give All My Love to You/ Keith Sweat

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01. Interlude (I'll Give All My Love to You) (Sweat/Wooten) - :53
02. Make You Sweat (Gatling/Sweat/Wooten) - 5:15
03. Come Back (Sweat/Wooten) - 4:39
04. Merry-Go-Round (Douglas/Sweat) - 7:29
05. Your Love (Sweat/Wooten) - 5:53
06. Your Love - Part 2 (Sweat) - 5:51
07. Just One of Them Thangs (Sweat) - 6:12
08. I Knew That You Were Cheatin (Sweat/Wooten) - 4:18
09. Love to Love You (Sweat/Wooten) - 4:50
10. I'll Give All My Love to You (Sweat/Wooten) - 5:36

1987年、「Make It Last Forever」で華麗なデビューを飾り、未だにシーンの中央に居座り続けるキース・スウェット。
しかし、デビュー・アルバムでは自分よりもプロデュースについたテディ・ライリーにばかり注目が集まり、たぶん面 白くなかったんでしょう、一念発起してセルフ・プロデュースにてこの作品をつくりました。
2曲目の「Make You Sweat」はNew Jack Swingの名作に仕上がっているし、なんといっても後に彼の大きな持ち味になるスロウの充実ぶりが目を引きます。
特にシビレたのが4曲目の「Merry Go Round」で、このイントロが鳴っただけでも腰がトロけてしまいます(笑)。
そして、7曲目の「Just One Of Them Thangs」では後述するリヴァートのリーダー、ジェラルド・リヴァートとのデュエットが聴けますが、これはジェラルドのヴォーカルが勝ってます。
と、いうよりは彼の場合はヴォーカルで勝負ではなく、その音世界というか、ムードを楽しむべきなんじゃないかなーと思います。
とにかくこれも大推薦!

Keep It Comin' / Keith Sweat

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01. Keep It Comin'
02. Spend a Little Time
03. Why Me Baby?
04. I Really Love You
05. Let Me Love You
06. I Want to Love You Down
07. I'm Going for Mine
08. Tellin' Me No Again (There You Go)
09. Give Me What I Want
10. Ten Commandments of Love
11. Keep It Comin' [Smooth Version]

キース・スウェットの好調さがわかる一枚。
前作でかなり自信がついたんでしょう、本作もセルフ・プロデュースでのリリースです。
タイトル曲はニュー・ジャック・スウィング期最後の名曲として記憶されるべきでしょう。
対するスロウはゲストラッパー、L.L. Cool J.がおねえちゃんに向かって掻き口説く3曲目「Why Me Baby」が白眉でしょう。
テディ・ライリーもキーボードで参加してるし。
また、9曲目の「Give Me What I Want」などはこの後彼が進む道を示していて興味深くはあります。
このアルバムを最後に彼はアイズレー・ブラザーズの影響濃いトロトロスウィート派に転属、優れたアルバムを出し続けます。
彼はこの後プロデュース業にも手をだし、Silkのデビュー盤や、アイズレー・ブラザーズ、オージェイズなどのヴェテラン勢に至るまで幅広いアーティストを手掛けます。
ニュー・ジャック期最後の傑作といってよいでしょう。

Didn't See Me Coming / Keith Sweat~

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01. Intro / Huff, Sweat / 1:04
02. Things / Huff, Sweat / 3:48
03. Whatcha Like / Crawford, Jefferson, Jenkins ... / 4:03
04. Satisfy You / Huff / 2:52
05. I Put U On / Daniels, Jerkins, Jerkins ... / 3:52
06. He Say She Say / Jenkins, Lane, Sweat / 3:56
07. Real Man / Jenkins, Lane, Sweat / 4:31
08. Kiss You / Jenkins, Johnson, Sweat / 4:35
09. I'll Trade (A Million Bucks) (Interlude) / Loving / :55
10. Don't Have Me / Jenkins, Lane, Sweat, Trapp ... / 4:04
11. Tonite / Scott, Sweat / :49
12. Caught Up / Peoples, Spencer III, Sweat ... / 5:18
13. Games / Huff / 4:12
14. I'll Trade (A Million Bucks) / Loving / 4:06
15. Only Wanna Please You / Culler, Grimsley, Sweat ... / 3:55
16. Why U Treat Me So Cold / Huff, Sweat / 3:52
17. I'll Trade (A Million Bucks) [Remix] / Loving, Scott / 6:30

今回のアルバムを買う前に、キース・スウェットの全作品を聴き返してみましたが、87年の「Make It Last Forever」から92年の「Keep It Comin'」までのニュー・ジャック・スウィング期と、SilkやKut Kloseのプロデュースを行ってから、94年の「Get Up On It」から現在までのトロトロスロウ中心期に分けられ、前作までは、スロウの絶好調さは相変わらずですが、やはりアップ・ナンバーにちゃんとしたスタイルを持っていなかったのが個人的な興味を削いだ部分もあったかなと思いました(あ〜、しのぶ姉ごめ〜ん)。
基本的には今作もキープ・コンセプト、アイズレー・ブラザーズの世界の後継者たるべくトロトロスロウの好作が目白押し。
今回は、いろいろなゲストを迎えての作品が目立ち、ヒップホップ界からはバスタ・ライムズ、R&B界からはTLCのTボズ、Men Of Vizion、Ol Skool、リル・モーと多彩。
まずはバスタ・ライムズ等をゲストに勢いをつけてから、Ol Skool、KIKI等がゲストに入ったミディアム・スロウの「Whatcha Like」に入りますが、Ol Skoolがどこにいるかわからん(笑)。
スロウは、Men Of Vizionをコーラスに従えた「Caught Up」が気に入りました。
プロデュースはMen Of Vizionのスパンキー、Men Of Vizionの次作はキースが絡んでくるのかな〜と、かなり楽しみです。
そして、リル・モーちゃんのおねいちゃん声に導かれてはじまる「I'll Trade (A Million Bucks)」がこのアルバムの白眉。
この子はソングライティングからヴォーカル・アレンジメントまで手がけており、なかなかの才媛とお見受けいたしました。
2000年度版「Make It Last Forever」的な雰囲気を醸し出していて、ナイス!
1999年にJOEとマライア・キャリーが、自身の「Make It Last Forever」をリメイクした事へのキース側からの回答、という見方もできますが…。
他のスロウも好調、あとは痛快なアップが一発欲しいところですが、それは贅沢なのかな〜。
今回も好調、おすすめアルバムです。

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