01 Maggot Brain
02 Can You Get To That
03 Hit It And Quit It
04 You And Your Folks, Me And My Folks
05 Super Stupid
06 Back In Our Minds
07 Wars Of Armageddon
Pファンクの中心部隊たるファンカデリック。
元々はジョージ・クリントンが結成したパーラメンツのバックバンド、という位置づけでデビューしたんですが、様々なトラブルの末、パーラメンツの名前が使えなくなってしまったため、このファンカデリック名義でのデビューとなった、というのが定説ですが、だんだんぐちゃぐちゃになっていって、パーラメントもファンカデリックもメンバーはいっしょ、ただ、パーラメントはホーンも入った正統的なファンク、ファンカデリックはギター中心のブラック・ロックという感じでとらえてもよいでしょう。
そのファンカデリックもだいたい3期に分けられ、ギター中心のブラック・ロック期、パーラメントがブレイク後のファンク・ロック期、そしてワーナー移籍期という感じでしょうか。
なかでもこの「Maggot Brain」はブラック・ロック期の最高傑作でしょう。
モロにジミ・ヘンドリックスの影響を受けたギラギラのギターを弾くのはエディ・ヘイゼル。
ジョージ・クリントンから「たった今母親が死んだと思って弾いてくれ」と言われて、心のままにプレイした(1)でその名は不滅のものとなります。
「母なる大地は三度目の妊娠中 お前達が孕ませたからだ 宇宙の精神に巣食う蛆虫を味わった俺だが 決して腹を立てたりはしなかった 這い上がらなければ 自分のクソにまみれてしまうからだ」というイントロの語りは、未だ形を成していないものの、後のマザーシップ・コネクションの原形となる姿が見え隠れします。
(3)みたいなブルージーなのも凄い。
(5)はパーカッションを絡めた、(7)は、最終戦争をテーマにした凄まじいファンク・ロック。
ホント、ファンクというよりはブラック・ロックの大名盤。
01 You Hit The Nail On The Head
02 If You Don't Like The Effects, Don't Produce The Cause
03 Everybody Is Going To Make It This Time
04 A Joyful Process
05 We Hurt Too
06 Loose Booty
07 Philmore
08 I Call My Baby Pussycat
09 America Eats Its Young
10 Biological Speculation
11 That Was My Girl
12 Balance
13 Miss Lucifer's Love
14 Wake Up
ファンカデリックの4作目は自由の女神が自らの腕に抱いた子供たちの腕を食いちぎっている1ドル札、というショッキングなジャケ。
このアルバムよりジェイムズ・ブラウンのバックバンドのJB'sよりブーツィ・コリンズが移籍、ギター垂れ流しサウンドは影を潜め、ファンク風味が強いサウンドになっています。
とはいうもののファンカデリックの個性が薄められたわけではなく、彼らの勢いと、ブーツィ等新メンバーの音楽性が渾沌とした状態であり、これはこれで聞き物。
(6)の粘着力あるグルーヴ、ブーツィがソングライティングを手がけた(7)はホーンも入った割合とオーソドックスなファンク。
他にもリズムがよくハネるファンク有りで、過渡期のアルバムではありますが、内包しているエナジーは途方もないものがあります。
1. Nappy Dugout (Clinton/Mosson/Shider) - 4:33
2. You Can't Miss What You Can't Measure (Barnes/Clinton) - 3:03
3. March to the Witch's Castle (Clinton) - 5:59
4. Let's Make It Last (Clinton/Hazel) - 4:08
5. Cosmic Slop (Clinton/Worrell) - 5:17
6. No Compute (Clinton/Shider) - 3:03
7. This Broken Heart (Franklin) - 3:37
8. Trash A-Go-Go (Clinton) - 2:25
9. Can't Stand the Strain (Clinton/Hazel) - 3:27
宇宙下水というタイトルのファンカデリック5作目。
ペドロ・ぺルがジャケット・デザインを手がけた最初の作品。
ここで、ギターを中心にしつつも、リズムは完全にファンクという彼らの個性が完全に確立、ファンク・ロック・グループとしてのファンカデリックとしてこれ以降突っ走っていきます。
ここではエディ・ヘイゼルはいけないおクスリのために一回休み、かわりに「人種統合を象徴する、ポリエステル製でソウルの粉をまぶした白い悪魔」とペドロ・ベルが名付けた白人ギタリストのロン・バイコウスキーが参加、Pファンクの大番頭、ゲイリー・シャイダーとともに盛り上げます。
また、ブーツィも同じくおクスリのために休養を余儀なくされ、パーラメントでも大活躍のコーデル・ブギー・モッソンが参加、これ以降、ブーツィのラバーバンド結成後もPファンクのボトムをしっかりと受け持っていきます。
これ以降のファンカデリックのウェストバウンド・レコード時代はどれも高品質で、「Standing On The Verge Of Getting On」、「Let's Take It To The Stage」がおすすめ。
01 One Nation Under A Groove
02 Groovallegiance
03 Who Says A Funk Band Can't Play Rock?
04 Promentalshitbackwashpsychosisenemasquad
05 Into You
06 Cholly
07 Lunchmeatphobia
08 P.E. Squad/Doo Doo Chasers
09 Maggot Brain
後期ファンカデリックの代表アルバム。
彼らの名前を一躍全米に知らしめたのが(1)。
元オハイオ・プレイヤーズのジュニー・モリソンが参加、初期のギラギラのギター垂れ流し状態のサウンドに比べると、かなりファンクに寄っていますが、この曲は売れまくり、ファンカデリックといえばこの曲、ということになっているのではないでしょうか?
そしてファンカデリックたる個性を見せつけるのが(3)。
「ファンクバンドがロックを出来ないなんて誰が言ったんだ?」という答えにマイケル・ハンプトンのギターが唸るブラック・ロック。
(4)では「精神的糞詰まり洗浄精神分析的浣腸軍団」を名乗り、なにやらわけのわからないコール&レスポンスを繰り広げるクリントン。
(5)でのやや甘やかなファンクでホッとする間もなく、(6)では再度強力ファンクへ。
そして(9)で再度自らの出自を確かめるようにギターを弾き倒すマイケル・ハンプトン(エディ・ヘイゼルの説有り)。
アルバム単位でも非常に完成度の高い作品で、ファンカデリックでどれか一枚、というのは非常に難しいですか、このアルバムはまず筆頭候補に挙げられるでしょう。
01 Freak Of The Week
02 (Not Just) Knee Deep
03 Uncle Jam
04 Field Maneuvers
05 Holly Wants To Go To California
06 Foot Soldiers (Star-Spangled Funky)
前作「One Nation Under A Groove」の大ヒットを受けて作られたアルバム。
大ヒットになったのは(2)。
いわゆる大ネタと言われる曲で、デ・ラ・ソウルというラップ・グループがこの曲を「Me, Myself & I」でサンプリングしてから一気にPファンク再評価の機運が高まったように感じます。
ディスコ・ビートを使った10分以上にわたる長尺ファンク。
(3)はPファンク部隊への入隊案内の歌。 とぼけたリズムにブーツィのベースが当たりかまわず跳ね回り、面白い効果をあげております。
とはいうものの、ファンク・ロック・バンドとしてのスタイルは後退しており、この後スライ・ストーンが参加した「Electric Spanging Of War Babies」を発表後はクリントンのトラブル続きで活動停止、パーラメントとともにPファンク・オールスターズ名義で活動することになります。